☆オクタ☆のサブストーリー

「メイス6の賢者物語」

 

第1章(幼年期) 第2章(幼年期) 第3章(幼年期) 第4章(幼年期) サイエーフ風サラダの作り方
第5章(青年期) 第6章(青年期) 第7章(青年期)    
焔編Prologue
(成人期)
焔編第1章
(成人期)<new>
     

 

焔編Prologue

「ふぅ〜」
枯れ草が覆う地面をふと眺める
ところどころに息吹いている新芽を見ていると
ふぅ〜
季節も春に入ろうかというこの頃、ありふれた光景が気分をいっそう憂鬱にしていく。
自分の名前はオクタビアヌス。
最近ではベルク首都パゴールを根城とするようになった賢者である。
もう以前のような若さも無く賢者の名がしっくり板についてきた。

いくか…。

まだ柔らかい新芽を踏まないように注意しながら、自分はサンティホール盆地を進んでゆく。途中、小川で顔を洗い、水筒に水を詰めていると、近くでは冒険者のグループがヘルハウンドを退治しているところであった。

犬狩りか…なつかしいな…

思わず昔を思い出し、微笑んでしまう。
自分は水筒に水を詰めると、さらに盆地の奥へ、奥へと、一人で進んでいった。
今日は、一人で、ロッキーに近い街道でのグリフォン、ハンマーオークの退治である。
さっそくグリフォンが出てくる。
まったくゆっくり風景を眺める余裕もくれないのか…。
自分は一歩手間まで近づくのを待って、アイスウェーブを発動する。
グリフォンはあっさり氷の嵐に巻き込まれて、大地に横たわる。
自分は何の感慨もなく、彼の胃袋をナイフで切り裂き、金貨を徴収する作業に入る。

今回は復活の薬か…。
昔はお店で買っていたな…復活の薬…。

そして息のつく間も無くハンマーオークが襲ってくる。
自分は落ち着いて、ホールドの魔法を唱え、オークの攻撃を封じると、アイスウェーブでとどめをさす。
特になんの感慨も沸かない、機械的に、敵がいれば魔法を唱えるだけの魔物退治。

…さびしいな…

自分がぼーとしていると、ハンマオークが2匹が周りに現れた。
あ、ハンマだ…
自分はフラフラとハンマオーク2匹に突っ込んでゆく。

どうでもいいや…

そして2匹に囲まれた所で、アイスウェーブを発動する。
後頭部をメイスで小突かれるが、そのままアイスウェーブを発動し続ける。

痛…

気が付くと、パゴールの墓場で寝ていた。
そうだよね、一人だと誰も復活はさせてくれないんだよね。

なぜだか訳も無く涙が流れた。
周りの通行人に見られないように壁際に移動する。

そして壁によりかかり、立ったまま泣いた。
声も上げず、ただ涙だけが、頬を止め処も無くつたってゆく。

もういいや…。
足元にアイスボールの魔法を撃とうとして、街の中では魔法が発動しないのに気づく。

神はまだ自分を懐には入れてはくれないのか…
ばかやろうー。俺に、この世で何をさせたいってんだー。
今度は心の中で神に罵声を浴びせかける。
疲れた…。

パゴールの門の前でぼーとしていると、自分を見つけたビザンティが声をかけてきた。
「どうしたオクタ?元気ないじゃない」
「そうだな…」
自分はそっけなく答えた。
「あっ借金の事ならいつでもいいから。でもその事じゃ、なさそうだね?」
ビザンティは腕を組んで考えんだ後、すこし心配そうな声で続けて質問をした。
「そういえばギルド辞めて今一人なんだよな。そのあたりかな?」
「ああ」
ああ、そうだよ。一人で悪いか。
「そういえばさっき盆地でシュカさんに会ったんだけど、オクタの事探していたぞ。」
「え、シュカが?」

自分は少し驚いた。
シュカとはもう3ヶ月近く会って無いのになー。なんだろ。
疑問が心を埋め、この数週間で初めて無関心から開放される。

「じゃあ行ってみなよ。まだ盆地にいると思うよ。どうせ、する事無いんだろ?」
「そっそうだな。まあ行ってみるか」

でも何だろ。ほんと久しぶりだけど。

「じゃあ俺は今から胴着作りに挑戦してくるよ。うまく出来たらまた分けてあげるからさ。胴着着れるようにがんばるんだぜ。じゃあな」
ビザンティはそう言い残すと道具屋の方に駆けていった。

ふっ、元気な奴だな。よし俺もシュカを探しに、もう一回盆地に行ってみるかな。
今日一つの目的が見え、後何時間は無気力から開放されそうだ。

パゴールの門を一歩踏み出すと、気持ちの良い風が吹き付けてきた。
足元の若葉も、風になびきながら、一生懸命、太陽を浴びている。
ふと、そんな彼らが頑張れと応援してくれているような気がした。

神様よ!俺にはまだ役目が何か残っているのかもな。

天を仰ぐと、新たなる門出を予感させてくれる、そんな青空だった。

 

焔編第1章

無気力だった日々から、今この瞬間だけはシュカに会うという目的ができた。
数十分は目的を持った時間が得られるだろう。
ただそれ以上に、興味心が胸を強く埋めつくす。
いったいなんだろ、もう長いこと会ってなかったが、なぜ今になって…
そういえば最後に会ったのは、サイエフ平原で偶然出会った時だったなー。
まだがむしゃらに、魔物を退治していたっけ…
しばらく楽しい思い出にふけりながら、盆地を歩いていくと、自分と同じ赤い髪の
若者を見つける事ができた。シュカである。

「おー☆オクタ☆さん、ひさー」
「おひさ…なんか探しているって聞いたから…」
「ああ、そういえばギルド辞めたんだってな?今一人なんでしょ?」
「あ、うん…」
「俺の友達がさ、今度ギルドを始めるんだけど、一緒に入らない?
 まあ、これからなんだけどさ」
まったく屈託のない…
「たぶん☆オクタ☆さんも、なんかやることあると思うよ」
「そ、そうだね。じゃあ参加の方向で名前伝えておいてよ」
なぜか自分の心にも躊躇がなかった。
「Ok。じゃあ伝えとく、実は☆オクタ☆さんも知っている奴だけど、へへ」
「えっ?」
「まあ、後々にね」
「あ、うん。」
「じゃあまたー」
赤い髪の青年は、また狩場へと狩りにでかけていった。
あんな顔で誘われたら、断れないよな。でも自分の知っている人間って誰だろう。

町に帰った自分は、雑踏の中に長い髪の見知った女性を見つける
あ、うさびさんだ…
「こんにちは」
「あー☆オクタ☆さん、こんにちは〜、今どうしているの?」
「ああ、一人で魔物退治しているよ。ハハ
 でもシュカさんに、シュカさんの知り合いのギルドに入らないかって誘われたとこ
 自分も知っている人らしい。」
「ふーん、そう♪」
何かを知ってそうな顔である。
そういえば、うさびさんはシュカとは師弟のつながりだったな。
「なんか知っているの?」
「うーん、シュカにまた聞いてみたら?」
「う、うん、そうだね。
でもシュカさんがマスターやるのもありだと思うんだけどな、マスター向きだと思うんだけど…」
「ふーん、そう…」
うさびさんが少し考え込んでいた。
「まあ、新しいギルド加入に向けて、もう一回がんばろうかな」
「そうだよ。また楽しい事あると思うよ。ふふ」
そしてうさびさんは、また雑踏にまぎれていった。
それにしても、シュカといい、うさびさんといい、なんだろあの思わせぶりは…

それから約2週間、シュカから連絡は無かった。
自分は、無気力からは少し解放され、来るべきギルド参加にむけて、前のように自らの鍛錬を行っていた。
そしてパゴールの町を歩いていたある日、シュカからチャリンで連絡が入る。

(☆オクタ☆さん、また盆地まで来れるか?)
(うん、行けるけど、どうした?)
(まあ…来てから話すよ)
(了解)

足早に、パゴールを出ると、盆地のシュカが指定する場所へと急いだ。
「おー☆オクタ☆さん、早かったね。あっこちら、うさびの妹さん」
「どうも。」
なんかうさびさんより静かな子だな。
「で、シュカさん、どうなった?」

シュカはめずらしく真剣な顔をして、少し考えこんでから、次のように言った。
「俺さ、やっぱり自分でギルドを作ろうと思うんだ。」
「えっ!」
「いや、いろいろ方針とか考えて、自分で作った方がいいかなと思って。
 俺が作ったギルドだと☆オクタ☆さんはどう?」
「大賛成!うさびさんにもシュカさんがマスター向きって話していてたし。」
「そうか」
彼は少し照れていた。
「で、候補者は?」
「うーん、ざっと☆オクタ☆さんを入れて8人ぐらいかな」
「へえー、じゃあけっこうすぐかもね」
「とりあえず今まず入りそうなのは、iteka、セブンボール、魔魔、Q号、諸葛亮孔明♪、そして☆オクタ☆さんかな。後のメンバーも追って紹介していくよ。」
「じゃあ、とりあえずギルド用新聞と掲示板作っておくよ。みんなと交流したいしね」
「うい、よろしく」
「ちなみに名前とかは?」
「まだ全然決めてない…ただ方針はウソを付かないギルドかな。もう誰も泣く人を見たくないから」
「そうだね」
たしかに今までいろいろあったもんな。
「まあ、がんばっていこう」
「だね。おいらも他の候補者と交流してみるよ。それと掲示板作り…出来たら連絡する」
「うい、よろしく」
さあ、これから忙しくなるぞ。ギルドの…シュカギルドの立ち上げだー。


まだこの時点では誰も、ギルド立ち上げにあれほどの日数を要し、
メンバー募集にあれほど苦労するとは、誰一人気づいていなかった。
しかしその苦労は新しいタイプのギルドを目指したメンバー達の熱き挑戦に他ならない。
そう、今はまだ、将来ギルド焔と呼ばれることになるギルドの、第一歩が始まろうとしているに過ぎない。


おいらは意気揚々と魔法使いギルドに戻ってきた。
これからやることがいっぱいだぞ。
「☆オクタ☆戻ったのか?」
「ああ老師、ただ今戻りました。」
「なんか久しぶりにうれしそうじゃの」
「ええ、ギルドを立ち上げるんです」
老師は渋い顔をした。
「ギルドには懲りたばかりじゃろうが?また泣きごとをいっても雑役の量は変わらんからの!」
「今度は大丈夫ですよ」
「そうか…それなら良いんじゃがの」
老師は髭を手で扱きながら、遠い目でそういった。
「ところで☆オクタ☆よ、アイスウェーブの調子はどうじゃ?」
「ほとんど安定しましたね。まだホールドの魔法がうまくかからなくて危ない目に遭いますが」
「そうか、ふむ…」
老師は、また髭を手で扱きながら、少し考え込んだ。
「おまえにもそろそろダブルウェーブを教えとく頃かの…」
「ダブルウェーブ?」
「そうじゃ!魔法使いだけでパーティを組んだ時必要じゃからの。よし今から行ってみるか…
 タランチュラがおる区域はわかるの?」
「はい、近づいた事はありませんが」
「よし今からタランチュラ退治へ出発じゃ」

そして自分とウィスト老師は、タランチュラが生息するというサンティホール盆地の奥へとやってきた。
「☆オクタ☆、良いか。わしがホールドの魔法をかけるよって、
 おまえは、わしから対角線上に一歩離れた場所で、アイスウェーブを発動するんじゃぞ」
「わ、わかりました。」
つまり2人でアイスウェーブを発動させるのか、強力だな…
自分が段取りを確認していると、盆地の影からタランチュラが姿を現した。

で、でかい!

老師がホールドの魔法でタランチュラの攻撃を封じる。
よし
「氷雪の魔狼フェンリルよ、我らが廻りの愚かなる者を引き裂け・・・アイスウェーブ!」

氷の嵐が、タランチュラを…あれ…

「☆オクタ☆よ、ずれ取るぞ、もう一歩近くじゃ」
老師が呪文の合間に、呪文の抑揚のまま自分に注意を促す。
「は、はい」
自分は、一歩近づいて再度呪文を唱える。
「氷雪の魔狼フェンリルよ、我らが廻りの愚かなる者を引き裂け・・・
アイスウェーブブブブブブブブブブブ、いっ痛たたたた…」
「こらバ…痛たた」
「ごめ…冷めっ痛」
「何しと…あた…」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

ポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカポカ
パゴールの墓場で老師に杖で殴られる音がこだまする。
老師…また倒れちゃいますよー
「わしにアイスウェーブ当てるとは何考えとるんじゃ!もう少しで…ふぅふぅ!」
「体裁きの練習を一からせい!
 裸でカリィ洞窟地下2階までを5往復じゃ!
 一切の魔法禁止じゃぞ!」
「そっそんな…いっ行ってきます。」
 

 

やっぱりギャグが無く 進むのは辛かったのかも。でも強引かな。。。
では続く焔編第二章、待っていてください。