☆オクタ☆のサブストーリー

「メイス6の賢者物語」

 

第1章(幼年期) 第2章(幼年期) 第3章(幼年期) 第4章(幼年期) サイエーフ風サラダの作り方
第5章(青年期) 第6章(青年期) 第7章(青年期)    
焔編Prologue
(成人期)
焔編第1章
(成人期)<new>
     

 

第5章

「なんでお前は、剣の刃先と芯を同じように氷結させるんじゃ。
芯は氷結温度ぐらいで、少し柔らかめせーと言うたじゃろうが!」
「は、はい、老師。何がいけなかったのでしょうか?」
「ちまちまと空中から水分を集めておるから真ん中から固まるじゃ。
いっきに集めんか、いっきに。」
ポカ!

老師の叩き癖は、自分の背が老師を越した今でも変わらない。
この人は、弟子にはずっと、こんな感じなんだろうなと、最近では、思えるようになってきた。
クレド神父とは、ずいぶん指導方法が違うのも事実だが、
そのかわり最近では、失敗無くアイスミサイルを撃てるようにはなったし、
今ではアイスソードもなんとか作り出せるまでになったので、指導者としては優秀なのかもしれない。
老師の教えは厳しいけど、成長を感じられる今では、逆にうれしくもある。

「おお、そうじゃ。それでええ。良いか空中から一気に水分を集めるのじゃぞ」

そう、老師は術が完全に成功した時のみ褒めてくれる。
「ところでオクタよ。ちと首都まで行ってきてくれんか?」
そして老師はふと、懐かしそうな、ただし少しいたずらっぽい目をして自分に話した。
「首都で強度を増したマントを買ってきて欲しいのじゃ。裁縫士も多いからの。
たぶん出来る者が、何人かおるじゃろ。
それからの、その先のサンティホール盆地も散策してくるがええ。
いろんなモンスターを見るのも、また修行のうちじゃからの。」
自分は、7000ランスを受け取ると、首都パゴール、そしてその先にあるという
サンティホール盆地への旅立った。

いつも通いなれた湿原で、何人かに道を聞きながら首都へ向かったが、
それほど遠い距離とは感じなかった。
「思ったより近いんだな、それにしても…」
首都は大変混雑していた。
ラスランでは考えられないくらい混んでいた。
人通りが多く、歩くスピードも、いつもよりかなり遅くなる。

自分はさっそく裁縫ギルドの付近で、
近くを通りかかった裁縫士らしい人間に声をかけた。
「あのー、すみません?」
自分は、近くを通りかかった青い髪の青年に声をかけた。
「はい、なんでしょう?」
「強度を増したマントが欲しいのですが?作成して頂けないでしょうか?」
「強度を増したマントですか。」
若者はすこし考え込んでいた。
「…あまりうまく行かないのですが、何着ぐらい必要ですか?」
「出来れば2着欲しいのですが。あ、お金は1万あります。」
「うーん…」
若者はまた考え込んだ。
「よし、では、布代プラス500ランスだから5500ランス預かって、
出来ただけ、差し上げるというのはどうでしょう?
運がよければ、2着以上手に入りますよ。悪くても1着は手に入りますし。
強度無しなら7着ぐらいできると思います。
失敗したものもお店に売れば、1000ランスぐらいで買い取ってくれますから」
「え、いいのですか?それだとお金増えちゃいますけど?」
「いいんじゃないですか?自分はまだ駆け出しなので、失敗する可能性もあるし、
この腕にかけてくれるなら、そのぐらいのメリットは出さないと」
「じゃあ、お願いします。
あ、申し遅れました自分は、オクタビアヌスと申します。」
「こちらこそ、自分は、ビザンティと言います。
じゃあ、ここでしばらく待っていてください。」
ビザンティは、お金を受け取ると、裁縫ギルドの中に入っていった。
そしてしばらくして、入ったときと同じように袋を担いで出てきた。
「今日は、調子がいいので、2着出来ましたよ。それに普通のも4着出来ました。
普通の物は、お店にでも売って、路銀の足しにしてください。」

「本当にいいの?」
ビザンティはにこやかに、うなずいた。
「うーん…。じ、じゃあ、今日は、このお金で、酒場で飲み明かしませんか?」
「そ、それもいいですね。」
そして自分とビザンティは、明け方まで酒場で、
お互いの修行生活の話などを肴に、飲み明かした。
さすがにけっこう酔いが廻った。
自分は、酔いを醒ましに郊外に散策に出かけた。
「うー。ここはどこだ?」
酔いが廻っているせいか、入ってきたゲートとは違うゲートに出てしまったみたいだ。
もしかして自分はサンティホール盆地に来てしまったのでは…。
そんな事を考えながら歩いていると、蝙蝠が襲ってくる。

…うー駄目だ!お酒のせいで精神集中が出来ない…
「えーい。破妖恨撃!」
おいらは、メイスを取り出し、ふらふらながら、蝙蝠を打ちのめした。
「えっ、弱い…。」
最近では、オークやゴブリンを主な相手にしてきたのだけど、そいつらに比べると
蝙蝠はあまりにも脆弱な存在だった。
うー、でもこんな状態で歩き回ったら危ないな。
スープでも飲んで、酔いを醒まそう。
自分は、アイスミサイルで冷凍粉砕したレンホウ草の粉末をを袋から取り出すと、

火を熾して…熾して…熾して…うー。火の魔法は苦手だ…。

ようやく火を熾して、レンホウ草を煮詰めていると、
すぐ近くの茂みが、ごそごそ動いた。

魔物か!

一瞬立ち上がりかけた自分だが、茂みから出てきたのが女の子だったので
ほっとして座りなおす。

「だれ!?」

女の子が警戒の声を上げる。
驚いたのは、こっちだよ…。
「スープを煮込んでいたんですが、よければ一緒にどうです?」
自分も内心の動揺をおさえつつ、レンホウ草スープをカップについで、

女の子に手渡そうとした…が…が…女の子がさっと下がる。
自分が一歩前に出ると、彼女は一歩さがる。
うー、自分って、そんなに野蛮にみえるのだろうか…

「別に何もしないですよ。さっ、冷めないうちにどうぞ」
仕方ないので、地面に置いて、取ってもらう。
しかし何で女の子が、こんなところに野宿しているんだろ。
こんなに町に近いのに、宿屋に泊まるお金も無いなんて…。

さらに…女の子が黙っているので、自分の方から話し始めた。
さっきの動揺を隠すのと、酔いの為に、眠くなるのを防ぐ為でもあったが…
「あ、すみません。紹介が遅れてしまいました。僕は☆オクタ☆といいます。
普通にオクタと呼んで頂いてけっこうですよ。」

自分は、ウィスト老師に弟子入りしてからの修行の数々をいろいろ話して聞かせた。
どうやら楽しげなので、そのまま修行の数々を話した。
お昼になり、廻りに、魔物退治をなりわいとする冒険者も増えてきたので
自分達は、魔物に襲われる事も無く、話を続けた。
やがて気が付いたら、夕刻が近づき、女の子がうとうととし始めたので
そのまま彼女の毛布をかけてあげる。
ふと廻りを見渡すと、草むらからバンディットが2人・・3人とこちらの様子をうかがっている。
今度は、頭も冴えているし、たかだかバンディットごとき…。
「我は命じる。氷の守護神サーディカの御名においてここに消魔の叫びを!アイスミサイル!」
自分は、呪文の詠唱を唱え、アイスミサイルで、3人のバンディットを撃退した。
しかし、ふと女の子を見ると、彼女の顔と毛布がバンディットの血で汚れていた。
…まずいな、これは…
「何?」
女の子が目を覚ます。
…や、やばい…
自分は、動揺を隠しつつ、
「ゆっくり寝ててください」
と言い、彼女の目を手で覆う。
そして彼女は、そのまま、また眠りについた。
自分は、彼女の顔を、ローブで拭いてあげながら考えた。
うーん。この子、また今日も野宿なんだな。
宿賃も無いのに、毛布汚しちゃってたら、困るだろうな…。
そうだビザンティが増やしてくれたお金がまだ少しある。
自分は、冷凍野菜とランスを袋に入れ、手紙を添えて、そこを後にした。
もちろん、他の魔物が寄ってこないよう、朝まで持つだけの薪を火にくべる。

なんか首都で、長居しちゃったな、さー、ラスランに戻りますか。

自分は、湿原で狩りをしつつ、ラスランに戻ってきた。
魔物から得たダガーを武器屋に売りに行こうと通りを歩いていると…
「ニャンコニャンコ」
猫の鳴きまねをしている青年がいた。
なんの冗談だろうと、自分は気になって訪ねてみた。
「何をしているんですか?」
「ああ、今度ギルドを作ろうと思うので、その勧誘です。」
ギルドについては、自分も噂は聞いた事があった。
職人ギルドとは、別に狩りをする仲間を集めて、お互いを補完しあうものだと。
ただ傭兵関係のギルドが多いので、今までは距離を置いていたのだけど…
なぜにニャンコニャンコ…
「ギルドの名前は、なんていうのですか?」
「ニャンコの絆といいます」
なぜにそんな名前のギルドが出来るのか、自分はすこし困惑した。
きっと堅苦しく無いギルドを目指しての事だろうと考え、
興味はあったが、少し考えてみると答え、その場を後にした。
しばらく町で、袋の整理をしつつ、町を往来していたが、
また武器屋の前に来たとき、自分は驚いた。

彼はまだ、勧誘を続けていた。

喉がかれるのを構わず、一人でニャンコニャンコと続けていた。
「あの、入ります。」
自分は思わず、そう言ってしまった。
「ありがとう、自分は明影といいます。今度集会を行う時に呼びますので
名前を教えてくれますか?」
「自分は、☆オクタ☆と言います。よろしくお願い致します。」
集会の際に詳細を説明をし、正式な加入とするとの事で、
ともかく次の集会の時に、呼んでくれるとの事だった。

そんなこんなでギルドへの参加を申し込み。
さて、まっすぐ魔法使いギルドに戻ろうかと思ったが、
なんとなく足は、教会へ向かっていた。

「クレド神父!お久しぶりです。」
「おー☆オクタ☆君、久しぶりだな。最近はどうだね?」
「ようやく魔法が落ち着いてきました。不発も無くなりましたし。」
「そうか…。じゃあ、大丈夫かな…。」
「なにがですか?」
クレド神父は珍しく神妙な顔つきになった。
「実はね、中央平原で蠍による被害が出ていてね。町に近い場所という事もあって
旅人に被害が広がっているんだよ」
「蠍ですか?」
「それほど強い魔物ではないんだが、毒を持っていてね。
その毒で亡くなる者が多くてね。教会にも毒消しの魔法はあるんだが、
どうにも継承者が少なくてね。薬さえあれば良いという冒険者が多いからね。」
「毒消しの魔法って難しいのですか?」
「それほどでも無い、君なら唱えられるだろ、ただ習得に材料費や何かで
2000ランスかかるが…。」
クレド神父は、また難しい顔をした。
「クレド神父、自分やります! 毒消しの魔法を憶えて、そして蠍退治もやってみます。」
「そうか、やってくれるか。じゃあ私の方で、さっそく特訓の準備をしよう。
そうだ、Sibamura君が話しがあるみたいだったぞ。先に行ってあげなさい」
「はい」

自分は、教会の裏へまわった。Sibamuraは、すぐに見つかったが、
瞑想をしているようであったので、自分は彼の瞑想が終わるのを待ちながら、
しばらくその辺りで、うとうとし始めた。

「☆オクタ☆ではないか?」
「う、うにゃ。あー芝さん。久しぶり。」
「ずいぶん、貫禄が出たように見うけられるな。」
「毎日、みっちりしごかれているからね。で、話しってなんだい?」
「実は…」
Sibamuraは、手を握ったり、開いたりしているだけで、なかなか話そうとしない。
「どうした?頼みごとなら、なんでも言ってみなよ。」
「実は、実践に一緒に連れていってもらいたいのだ!
自分はペンに生きる人間なれば、剣をもっても一人では心もとないゆえ。
実践を通して、もっと修行を積みたいのだ」
「なんだ、そんな事か。いいよ!
そのかわりに自分の教え方は、親父とか、ウィスト老師みたいなスパルタ式でしか
出来ないけど、かまわないかな?」
「むしろ、その方が助かる。」
「じゃあ、5日後。一緒に旅に出よう。今回、良い狩場を見つけたんだ。」
「よろしく頼む」
「うん、じゃあ、5日後に、ここで。」

自分は、Sibamuraと、クレド神父に、別れを告げると、
今後こそ、まっすぐ魔法使いギルドに向かった。
しばらく歩いて、ようやく魔法使いギルドに帰ってきた。
「老師!ただいま戻りました〜」
「あれ、老師〜、老師〜。」

パコーン!

あれ、頭がクラクラする〜

ポカ!

あー、この音は、老師に杖で殴られる音〜。 ひゅ〜。

「たかがか買い物に何日かければ気がすむんじゃ!バカタレ!」
うー、痛っ。うー、タンコブできてるよ。
「あっ、老師〜」
「老師じゃないわ。たかだか首都にいくのに何日かかっとるんじゃ。」
「あ、あっ、でも盆地で、女の子と話して、毛布が汚れて…」
「なに?盆地で女人と毛布を汚した。お前というやつはーー!」
ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!ポカ!
「老師、勘違いですってば〜」

それから、散々、叩かれつつ、なんとか事情を説明でき、
たまっていた雑用を済ませると、ようやくベットにつくことができた。

旅の疲れで、うとうとと、していると頭の中で声が聞こえる。
「今から酒場で、ニャンコの絆の集会を始めま〜す。」
う、うーーん?
「今から酒場で、ニャンコの絆の集会を始めま〜す。」
これは、チャットリングの呼びかけか?
そういえば、まだ自分は、その高価なリングを持って無かった。
しかたないなー。直接言って話すしかないな。
自分は、ローブを羽織ると、酒場へ向かった。
酒場は既に盛り上がっており、酒場の外まで、声が響いてきていた。
「アユミさん、お酒こっち!」
ドアをくぐると、既に10人ぐらいが酒宴の真っ最中だった。
棍棒を振り回す者もいれば、服を脱ぐ者もいる。そういえば…。

そして、明影さんの説明が始まるが、酒宴はますます混乱を極め
なぜか明影さんの隣に常にいるラムネードさんという方が、
明影さんを茶化しては、笑いを取り、漫才的な説明が続く…。
いろんな職業の男女混在の酒乱達は、そのまま、夜半まで飲み明かした。
「では次に、ギルドの広報新聞を作る人いる?」
「はーい!あー、でぃぶんは、まいひゅちのように、ろうひのほんのてんき
をやっているので、たぶんできまひゅ!」
「でゃあ、よろひく」
酔いがまわる中、自分はふと、世界を記せし男、Sibamuraの事を想い出していた。
そうひゃ、ひゃれを、さそひょう。
お酒は疲れた体に染み入り、いつしか自分は、頭のコブの痛みも忘れて
そのまま、眠りに落ちていった。酒宴は永遠に続く…。

 

第6章

チュンチュン、チュンチュン
「うっ、うーん…」
えっ!えーーーーーーーーーーー
気が付いたら、朝だった、しかもほっぺたについているのは
グリフォンの串焼きの串だったりする。
あのまま寝てしまったのか、他にも何人か、床に寝転げていた。
や、やばい。朝食の用意と、ローブの櫛がけと、杖みがきと…あーー
2日酔いでふらつく頭も気にせず、走って、走って魔法使いギルドに戻った。
そして…
なぜか老師は、食堂で、お茶を飲んでいて、にこやかに微笑んでいる。
こ、こわいよーー
「ええ身分じゃの?使いに出したら女人と戯れて帰ってこん、
やっと帰ってきたと思ったら、その日からまた朝帰りか…」
「あ、でも、あれは、その…」
「若いのう…」
老師は遠い目をして、微笑んだ。
「のう、オクタ。今から大切な事を言うからして、よく聞くのじゃぞ。」
「は、はい!」
老師はもういちど微笑んだ。柔らからな笑みだった。

「よいか、オクタよ、
呪文書の転記100冊、冷却乾燥野菜30日分の作成、
50匹分のオーク肉の収穫、包丁(ダガー)50本調達、
100人分のローブの洗濯、今週中にな。」

エーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんな呪文書1冊の転記だけでも1時間以上かかるのに。
「ろ、老師、そんな…」
「何かな?」
老師は微笑んでいた。体の周囲に氷の嵐を纏いながら。
うー、無理だよ。Sibamuraと5日後に冒険の約束しちゃったし。

そして5日が過ぎた。
ね、眠い。魔物にやられなくても昏睡できる。
この5日間は、昼は湿原に狩りに、夜は呪文書の転記で一睡もしていない。
そのおかげか、自分は、ダガー50本のノルマ以外のすべての用事を済ませていた。
うー湿原だとダガー持っている魔物いないんだよな〜。
そういや、Sibamuraと狩りに行くんだったな。
あそこなら集まるか…
「老師行ってきます〜、あ、お弁当は作っておきましたら、
炎のエンチャで、暖めて食べてください。」
「どこへいくんじゃ。そんな重武装で」
「包丁集めてきます。」
「おー、そりゃ大変じゃの、明後日までにの」
お、鬼〜

自分は、寝不足でフラフラのまま、教会に向かった。
教会では、Sibamuraがすでに用意を整えて待っていた。
「オクタだいじょうぶか?ふらついているぞ。」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ。」
自分は、手をパタパタとふった。
「じゃあ、いこまい」
「うい」
自分たちは、湿原を通り過ぎ、いざサンティホール盆地へ

「準備はいいか?まず大事なのは体捌だから!
適当にやっていると魔法の誤爆されて死ぬからね。
すこし厳しくいくよ」
話しているとバンディットが現れた。
「じゃあ、行って!」
Sibamuraはバンディットに向かう。

「そうじゃない、横から回り込んで!」

「通り過ぎてどうする!」

「ダガー拾わないなら貰うよ!」

「魔物に向かって剣振らないとダメでしょ!」

「痛いのをもらったら、すぐに下がる!」

「ダガー拾わないなら貰うよ!」

眠かったせいだろうか、特訓は非常に厳しいものになってしまった。
しかし続けていくうちに、体捌きの技術はともかく、Sibamuraは
すごいスピードで成長していった。
2、3回り強くなったんじゃないだろうか。
「ほら、ダガー早く拾わないと、もらっちゃうぞ!」
そしてもおいらも授業料としてダガーを10本ほど貰っていた。
よしっ、後40本!
いつしかSibamuraは、一人で2匹以上を相手に出来るようになっていた。

「よし、もう大丈夫じゃないかな」
「うい、助かった。ありがとう」
「じゃあ、少し一人で修行してて、いったん町にいってくる。」
「うい」
自分は、急いでラスランまで戻ると、魔法使いギルドにダガーを10本おいて、
また盆地まで急いで引き返した。

「だいじょうぶか?オクタ、ふらついているぞ」
「大丈夫、大丈夫!すこし眠いけど。調子はどう?」
「2回ほど気絶をした。装備も無くなってしまった。」
「はぅっ。あれほど、突っ込むなって言ったのに!」
「すまん」

よく見ればSibamuraは、ノーマルアーマーにダガーという格好だった。
「じゃあ、次は俺も一緒に狩るよ。それからダガー落としたら貰うからね」
「うい」
それから二人で、もくもくと魔物を狩りつづけた。
そしてダガーも20本集まり、持ちきれないので、10本をSibamuraに持ってもらった。
「よーし、そろそろラスランに帰るか?」
「うい」 Sibamuraは素直だった。
「ところで、オクタ、その頭のマークは何なんだ?」
「えっ、あー! これはギルドマーク」
「ギルドマーク?」
「うんギルドに入ったんだ。ああ、職業ギルドじゃなく、冒険者ギルドの方ね」
「ほー」 Sibamuraは、興味深そうな顔をしていた。

そういえば今日、ギルドの集会だったな。

「なあ、Sibamura? Sibaはギルドとか興味ある?」
「うい」
「今日、自分が入っているギルドの集会があるんだけど来ない?」
「うい、よろしく頼む」
自分は、眠さをこらえてフラフラしながら
時々、SibamuraからSPカプセルを貰って飲みながらラスランに戻ってきた。
「じゃあ、このまま集会にでるか?紹介するから」
「よろしく頼む」
自分は、Sibamuraに魔法使いギルドに寄ってもらい、ダガーを置くと
その足で酒場に向かった。

酒場はあいかわらずの盛況ぶりだった。
…しかし、前より人数が増えているな…
時間もぎりぎりだったので、そのまま列にならぶ
ただ今日からギルドマークがついた事により、
「かわいいって言われたー」
の声があちらこちらから聞こえてきて、とても収集しそうに無かった。
なぜかボスと呼ばれている明影さんが「静粛に」の声でみんなを黙らせる。
今日は、いつもになく真面目だった。
ギルドマークがついて皆がはしゃぎすぎであったのを、
諫める為であったのかもしれない。
ひととおり注意事項の説明があった後、集会は解散し
みんなで魔物退治をしに行こうという話しになる。
しかし自分はダガーを後20本集めなくてならず、Sibamuraも、皆が行く
魔物退治場所へ出向ける程の技量もない。
「なあSiba、もう一度サンティホール盆地行かないか?」
「うむ」
「すまんが、ダガーが出たら貰うね。」
「うむ」

夜は老師は寝ているから、明日の朝までに戻れれば、なんとかだいじょうぶか。
自分は頭の中で朝までの時間を確認すると、深夜にも限らずSibamuraと共に
サンティホール盆地へと向かった。
深夜の為か、魔物はあふれるように出現した、自分はこの1週間分の睡眠不足
の不満をぶつけるかのように、鬼神のごとき魔物退治を行った。
Sibamuraも善戦し、ダガー20本は、以外にも短い時間で集まった。
ダガーを20本集まった頃合で、Sibamuraに声をかける。

「今夜はこのあたりにしておくか?」
「うむ、ずいぶんと経験を積めた。感謝する。」
「いや。こちらこそ、包丁、あ、いやダガーを貰って助かった。」
「そんなにダガーを集めてどうするのだ?」
「老師の言いつけでね、包丁にするらしいけど。」
自分達は、真夜中の湿原を強行軍で横切り、ラスランに戻ってきた。
よしまだ深夜の3:00だ。これなら大丈夫だろ。
Sibamuraに魔法使いギルドによってもらい、ダガーを置くと、Sibamuraに別れをつげた。
「Sibaまたね。自分は当面、クレド神父の依頼で留守にするけど、がんばってね。
でも、こんど会う時には、たぶん、抜かれているかな。ハハ。じゃあね」
「うむ、では。」

…ふー、さすがに7日間寝ていないと、頭が痛いな。
魔法使いギルドの入り口を出て、冷たい外気をすうと頭痛は治まったが、ひどく体が冷えた。
酒場にでも、寄っていくかな。
自分はダガーを入り口脇のすみに置くと、寝酒を求め酒場に向かった。
酒場の入り口を入ろうとすると、中から声が聞こえる。

あの声は、たしかボスとラムネードさん。それから…
人数も少ない。恐らく数名だけが残ったのだろう。
…集会の後も飲み明かしていたのか、あいかわらずだな…

自分は笑いをこらえつつ、扉に手をかけた…。


「あんたなんか〜大嫌い〜! パシッ!」


はっ!自分は戸にかけた手を引っ込めた。
中から痴話喧嘩らしき声と仲裁の声が聞こえる。
痴話喧嘩か…なんかうらやましいな…
自分は、苦笑すると、中央の酒場をそっと後にした。

そういえば、酒場はもう一店あったな。あっちで買って持ち帰るか…。
自分は、もう一店の酒場に寄り、持ち帰り用の酒を買うと
魔法使いギルドへの足を向けた。
うー、しかし寒いな。あまりの寒さに1週間分の眠気が襲ってくる。
ここで寝たら危ないな。
自分は持ち帰りようの酒のコルクを空けると、一口飲んだ。
ぷはー、暖まるな。
さらにちびちびやりながら、夜風に当たると、それはそれでとても心地が良かった。
そして多少ふらふらしながら、魔法使いギルドへ帰り着く。
魔法使いギルドの中は、炎のエンチャがほどなく効いており、とても温かった。
ふー、後はこのダガーを老師の倉庫にし…ま…て…
あー、暖か…
 

 

第7章

うーん、痛いな。誰だ背中を突付くのは…むにゃ、むにゃ。
うーん、痛いな。誰だ頭を叩くのは…む…

はっ!

目の前にダガーの詰まった袋がある、そして壁の模様が横に見える
もしや、自分は床に横になっているのでは…。
そして頭を叩くこの感触は、老師の杖…。
たらたらと脂汗が流れる。

「いつまで寝とるんじゃー。このたわけめー」
「ひぃー、老師すみません。」
「命じた仕事は終わっておるのか?」
「は、はい。なんとか終わりました。」
「それで浮かれて酒場通いか?」
「そんなんじゃないです!」
「じゃあ、その酒瓶はなんじゃ?」
「こ、これは、その、寒くて…。」
「魔法使いなら火のエンチャでなんとかせんか、たるんどる証拠じゃ!
罰としてもう一週間、同じものを集めてこい!」

うう、絶対に死ぬ。 そ、そうだ。

「老師、実は、クレド神父に蠍退治を依頼されてますので…。」
「ほう、蠍退治の・・・」

老師はひげを手でしごきならがしばらく考えていた。

「よし、そうじゃの。ちょうど蠍の尻尾が欲しいとこじゃった。
今週中に蠍の尻尾を100個取ってくるんじゃ。」

1週間で100匹倒せばいいのか、今週は少し楽になるかな…。
いや、老師がやさしいはずは無い。

「老師、もしかして蠍って強いんですか?」
「なんじゃ、まだ戦った事がないのか?
そうじゃの、そうでも無いぞ。毒がつらいぐらいのもんじゃ、わしらにはの。」
「わしらにはって…と、とにかくがんばります」
ともかくクレド神父に話を聞いてみなきゃ。
その後、その日の日課となっている雑事を済ませると、
自分は早くに眠りについた。

はたして次の日、自分は早くに目を覚ました。
老師の朝食を作り終え、雑事を済ませると、冒険の身支度を済ませる。
出掛けに、老師に蠍狩りにいってくる旨を伝えると。

「オクタよ、体捌きじゃぞ、体捌きが基本じゃ」

と改めて言われた。
うーん、毒ってそんなにつらいのかな。でもクレド神父が心を煩わせるぐらい
被害者がでているのならそうなのかも。
自分はまず、クレド神父にアドバイスを貰うのと、
解毒の呪文を習うために教会に向かった。

「クレドさーん?クレド神父?」

「おー、オクタ君、ようやくだね」
クレド神父は頭をポリポリかきながら、苦笑した。
「これから行くのか?じゃあ、まずは解毒の呪文を教えねばな。
それからすまないが、お金は持ってきたかね?
無料で教えて上げられればいいんだけどね。」
クレド神父は心底すまなそうにつぶやいた。
「ええ、お金なら先週、老師のいいつけで狩りをして若干溜まりましたので、だいじょぶですよ。
ところで、蠍狩りについて、教えてもらってもいいですか? 実は…」
自分は、老師に言われた条件をクレド神父に話した。

クレド神父は頭を抱えて、それから少し憤慨してた。
「まったく、ウィストさんは、あいかわらず、めちゃくちゃだな。」
「そんなに大変なんですか?蠍狩りって?」
クレド神父はすこし困った顔をした。
「う、うーん。撃退ならそうでもないんだが、最後まで倒すのはオクタ君の
レベルなら何人かで掛からないとね。」
「まあ、ともかく解毒の呪文から始めようか。こちらに来なさい。」

クレド神父は、自分を連れて教会の奥の水晶玉の前まで来ると、儀式の準備を始めた。
飾られた物の中には毒液のようなものや、聖水を貯めた壷など、多種多様な物が貢物のごとく飾られていく。
「じゃあオクタ君、準備はいいかな?」
「はい。」
自分が返事をすると、クレド神父は目を瞑り、精神集中を始める。

「気高き大いなる意志の源流よ。主と精霊の御名により、この者に不浄なる流れの浄化の力を与えたまえ。」
「じゃあ、オクタ君、私の言葉を繰り返して」
「はい」
「崇高なる母なる泉よ、我、悪しき水の流れの浄化を望まん。汝の力もて、この者に聖浄の恵みを!キュアーパラライズ」
「崇高なる母なる泉よ、我、悪しき水の流れの浄化を望まん。汝の力もて、この者に聖浄の恵みを!キュアーパラライズ」
自分が呪文を唱えると、先ほど見た毒液のような物が、
みるみる透明になっていく。

「よし、これで解毒の呪文は習得できた。
じゃあ、気をつけて行ってくるんだよ。
それから、今日1日は、蠍を倒そうと思わず、まずは魔法を当てて撃退する事に専念しなさい。
退治は明日からでも遅くは無いのだから。いいね?」
「はい」

自分は、クレド神父に蠍の被害が出ている地域の地図を貰うと、中央平原へと出発した。
体裁きが基本だ、そして今日一日は、魔法を当てて、撃退に専念する事か。
どんな魔物なんだろ。
クレド神父に言われて、念の為に毒消しの薬も持って来ている。
しばらく歩くと、蠍が出るという中央平原の森についた。
そして蠍のテリトリーに入っていく。

で、でかい…。自分より大きいじゃん。
自分は、大蠍といっても、せいぜい、子供ぐらいの大きさだろうと思ってたのに…。
見ていると、確かに旅慣れた冒険者達は、蠍をよけて進んでいく。
やはり毒の被害は多いのか。
でもこれじゃあ、確かに、一般の旅人は通り抜けるの難儀するだろう。

ちなみに蠍の出現する地域はサイエフ平原への通り道と重なっている。
サイエフ平原は、ミノ肉や、多種多様な野菜やハーブの収穫地として、多くの人が訪れる
とても重要な狩猟地である為に、危険を冒してここを通るものも多い。
よし、やってみるか。

自分は気を引き締め、アイスミサイルの呪文を唱えつつ、じりじりと蠍に近づいていく。

「………、アイスミサイル!」

一発目、命中!
よし、もう一発…。

え! はっ、早い! 大蠍は、その巨体に似合わないスピードで近づいて来る。

「………、アイス…、うわ!」
2発目を打とうと手を上げた所を襲われる。
左から来た鋏を、一歩退ってよける。

「あっ!うっぅ…。」
フェ、フェイントか…。

鋏を避けた後、すぐに頭上から尾が飛んで来た。
尾の棘は、リベットアーマーに深々と突き刺さり、そのまま自分を後ろに吹き飛ばす。
手足がすぐに痺れてくる。

ど、毒だ。解毒しなくちゃ…。
そう思っている間に、蠍はさらに次の攻撃に移り、鋏が飛んで来る。
も、もう駄目だ。

ヒュー、ドン!

「なにやってんの、早く逃げて。」
となりから女性の魔道士がアイスミサイルを当てて、蠍の気をそらしてくれる。

か、解毒の呪文を…。
「崇高なる母なる泉よ、我、悪し…」

駄目だ、意識を集中出来ない。
もう足が痺れて動かない。

そ、そうだ、毒消しの薬。
自分は、体のよこにつるしてあった、毒消しの薬の栓をあけると一気に飲む。
すると、すぐに手の痺れが取れ、足の痺れも取れていった。

さ、蠍は!
蠍は何人かの魔法使いの魔法に打たれ、既におとなしくなっていた。

「ねえ、あなた!」
「え、自分?」
「そう、あなた!駆け出しの魔法使いの癖に、正面から蠍に向かうなんてどうかしているわよ!」
「ごめん。あ、それから、ありがとう」
自分は、助けてくれた女性の魔法使いにお礼をいうと、少し森から離れた。

つ、強いじゃないか〜。うぅ、たしかに正面からじゃ、今の俺じゃ無理だな。

気を取り直し、もう一度、森に入り、今度は蠍退治をしている人達を観察する。
皆、横から、そして集団で蠍を退治しているのがわかる。
そうか、横から、魔法発動ぎりぎりの場所から当てれば良いのか。
自分は、蠍退治の輪に混ざると、みんなと同じように、蠍の側面から
魔法発動ぎりぎりの範囲から、アイスミサイルの攻撃を加える。
なんどか繰り返すと慣れてきて、直接攻撃を受けるまでに3発はミサイルを
当てられるようになった。
そして一日が終わった。
後、5日で、100匹か〜。つらい。

次の日も同じように蠍に魔法を当て続ける。
基本的には、即席で出来た仲間何人かで狩るのだが、
何回かに一回、狩る事が出来るようになっていた。
さらに次の日には、余裕が出てきて、毒を受けた人へ解毒魔法をかけて
上げれるようになっていった。

蠍の尾は10本集めている。もう少し自分のレベルが上がればなー
もっとどんどん退治できるのに…。

そう考え始めた3日目の昼、
近くを同じギルドのメンバーのあいにゅさんが通りかかる。
「ニャンコ、ニャンコ」
お互い合言葉をいうと、あいにゅさんが聞いてくる。
「ねえ、なんかずっと蠍を狩ってるけど、蠍っておいしいの」
「い、いや、いろいろとあって」
「ねえ、一緒に他の狩りにいかない?」
そうだな、他の場所も見てみたいかな。
尻尾は今週中にはぎりぎり集まりそうだし。
「うん、いいよ。どこか良い所、知っている?」
「そうね。サンティホール盆地で、犬狩りとかどう?」
犬、ああ、ヘルハウンドか。そういえばまだ見たこと無いな。
「OK、じゃあ、行こう」
自分たちは、サンティホール盆地へ付いたが、ひどく混んでいた。
魔物退治の冒険者だらけで、魔物が逆にかわいそうになってくる程だ。
「混んでるね」
「混んでるわね。そうだなーサイエフに行ってみようかな」
サイエフ平原、そういえば、まだ一度も行った事が無いなー
食材はよくサイエフ平原物を利用しているというのに。
「ねえ?自分、サイエフって行った事無いんで、連れていってくれないかな。是非!」
「いいよ。じゃあ、行こう」
それから自分達は、湿原を横切り、ラスランを経由、さらに中央平原を超え
ようやくサイエフについた頃には、既に夜になっていた。

「うんと、この辺りかな。冒険者がたくさんいるでしょ。でも魔物もたくさん出るから、
最初のうちは、みんなに混じって魔法を当ていればいいから、
どの魔物もすごく強いから、隣に来られたら避けてね」
それからしばらくサイエフで魔物退治をしたが、自分には全てが新しい体験だった。
次々に沸いてくる見たことも無い魔物(後で食材の元の魔物である事がわかった)
それに群がる冒険者達、一度に6発以上の魔法が発動されてる。
高価な復活薬がどんどん使われていく。
「よし、☆オクタ☆さんも、だいぶ強くなったんじゃない。
ギルドのメンバーもこのあたりにいる事が多いらしいから、憶えておいた方がいいよ。」
「ありがとう、とても勉強になったよ。」
「じゃあ、私は町に帰って寝るね。」
自分も、しばらく魔物退治を続けた後、町に帰った。

4日目、自分は自分の成長に自分で驚いた。
昨日のサイエフの狩りの成果なのか、魔法の威力が驚く程上がっている。
3発前後で蠍を倒せる。
これなら、今日中に集められるな。
昨日までの自分なら、今週末ギリギリだっただろう。
はたして、その日中に、蠍の尻尾は100本集まった。
いぇーい。これでノルマ達成。これなら明日の集会出ても大丈夫だな。

次の日、自分は、朝から雑用を明日分までさっさと
ギルドの集会時間までに済ませると、ギルドの集会時間へ参加した。
今週は、ボスが管理がなんとか言っていたが、議題も多くなく
またみんなで狩りに行こうという事になった。
「サイエフに行くぞーーー」
「おおー」
参加メンバーは、明影、ラムネード、スウェイン、シュカ、エイニス、
裏レンジャー、カダフィ、サラ☆、うさび、そして自分。

その時の図(http://godius.s8.xrea.com/rbook/img/40.png)

裏レンジャーさん、カダフィさんは、既に高レベルでサイエフって感じ
じゃないみたいだったけど。
ただ自分達が選らんだ狩場はそれほど、多くの魔物がでる場所ではなかった。
自分にはちょうど良いぐらいの場所ではあったが。
ただ、自分達の人数に対しては少し出現率が少なかった。

その時、一人の青年が声をかけた。その青年はシュカという。
「人数を分けよう!俺とヘビ退治に行く人?」
ヘビって何?ここにいるのは鳥と牛と緑の怪物だけじゃ???
「先行って見てくるわ。来たい人は決めといてね。」
シュカはさっさと、南に下りていく。
そしてしばらくすると返ってきた。
「じゅあ、行くけど、行く人?」
「はい!」
自分は、よくわからないけど手を上げた。
他、うさび、エイニス、スウェインが行く事になった。
自分達が降りたサイエフの南では、ヘビと呼ばれているコウアトルという魔物がよく出現した。
さすがにまだ皆レベルも低く、みんなよく意識を失う。
そのたびにシュカが復活薬で回復していく。
でも、あの薬ってかなり高価なはず…。

「あ、復活が切れそうだな。町行って買ってくるわ、うさび、後、お願いな!」
シュカはそういうと、町へと返っていった。そしてずいぶんして戻ってくる。
元気な人だなー。それにしても復活ってかなり高価な…。
「持てるだけ買ってきたから配るよ〜。持ってない人?」
自分はおずおずと手を上げた。
あんな高価な物、まだ買った事が無かった。
「はい」
シュカが2つ復活薬を渡してくれる。
「ありがとう、でもこれって、かなり高価な薬じゃ」
「大丈夫。俺、裁縫士に知り合いがいてね。お金はあるんだ。だから誰かが倒れたら使ってくれい」
「はい」
でも倒れるのは自分を含めて何人かで、復活を使うどころでは無い。
やがて狩りを終らせて、そろそろ町に戻ろうという事になった。
「シュカ!復活残ったから返すよ。ありがとう」
「ああ〜、いいよ、もっときな! で、誰かに使ってあげな。」
うーん、まあいいか、そうだよね。
「うん、ありがとう」

狩りが終わってラスランについたのは、夜明けが近かったが、
まだ暗い。自分はまっすぐ魔法使いギルドに戻ると、眠りについた。
そして朝早くに目を覚まし、朝食の準備を終わらせると、老師が起きてくるのを待つ。
「お、早いの!ところで今日が約束の期限じゃが、どうなっとる」
「おはようごうざいます老師、約束の品なら揃ってます」
自分は、老師にテーブルに置いた蠍の尾を見せる。
「ほうほう、ようがんばったの。ところで今日の朝食はなんじゃ」
「今日は、サイエフ風サラダとグリフォンのから揚げです。昨日サイエフ平原に行って来ましたので。」
「サイエフ平原に行ってきたとな?じゃあ、おぬしが取ってきたのか?」
老師はすこし驚いたようだった。
「ええ、ギルドの仲間と一緒でしたから。一人ではまだ退治しきれません。」
「そうか、そうか。そりゃ、ええ仲間が出来たもんじゃの。
じゃあ、次の課題は少し考えんとな…」

え、まさか…ミノ肉を100匹分取ってこいとかじゃ無いよなー。それは無理!
自分は動揺して待っていると

「そうじゃの、当分、お前の自由にせい。また考えるでな」
ほっ
「でも、ようがんばったの。また強ようなったの」
それが修行に来て、初めてほめられた老師からの言葉だった。


それからしばらく自分は、蠍狩りとサイエフでの修行を繰り返していた。
そんなある日の事、サイエフ平原でシュカに出会った。
「ニャンコニャンコ」
「ちゃーす、何狩っているの?」
シュカが尋ねる
「うん、冒険者に混じっていろいろかな」
「そっか、俺前衛やるから、☆オクタ☆後衛で狩りしないか?」
「うん、いいよ」
それからシュカとチームを組み、いろんな魔物を狩った。
そしてしばらく狩りをしていると、
バシュッ
「あー、鎧が壊れた。。。」
自分の着ているリベットアーマーが壊れてしまった。
「うー、代えないんだよな。ごめん、町行って買ってくる」
「じゃあ、これ着なよ。」
シュカが鞄からヒップホップを出す。
「これ改造しているから防御力高いし。」
ありがとう、借りて着てみるとぴったりだった。
「あー俺がもう一人いる。アハハ」
そうシュカと自分は髪型も髪の色もそっくりなので、同じ服を着ると
まるで兄弟みたいにそっくりに見えるのだ。
「そうなのか?アハハ」
自分達は、しばらく狩りをして、町に戻った。
「シュカ、ありがとう!じゃあヒップポップ返すね。」
「えー、いいよ。あげるよ。いらなくなったら売ればいいから、
色染めているし改造物だから、そこそこの値で売れるでしょ」
「えー、悪いよ。」
「いいって。じゃあ、また今後な」
そういって、颯爽と行ってしまった。

ギルドって頼もしいなー。良い人ばかりで良かった。
自分も早く強くなって、いつか他の人の力にならなきゃ。
 

 

とりあえず、これでいっかい。☆オクタ☆幼年期、青年期編の終了です。
次回は、すこし飛び越して、現ギルドの焔出会い編を書くかも。
ちなみに、1-3章まで実在のキャラ出てきてません。
また、勝手に使わせてもらった、実在キャラの皆さん、すみません。
そして良い思いでをありがとう